カランコエ(多肉図鑑)
カランコエ(Kalanchoe)はマダガスカルや東アフリカ、南アフリカ原産の多肉植物で、小型から大型まで様々な品種があります。「フミリス」のように個性的な斑入りの葉を持つものもあれば、産毛のような微毛に覆われているものもあり、色や形も様々。元々ヨーロッパではクリスマスの観賞用植物として栽培が始まりましたが、実は寒さには弱い性質があります。乾燥に強く、少々水やりを忘れても生きながらえる品種です。
水はけの良い土を用いて育てます。生育期は春と秋。寒さに弱いので、冬は日当たりの良い室内で育てます。また乾燥に強い反面、高温多湿には弱く、夏場は風通しの良い場所を選びます。微毛のある品種は特に過湿に気をつけてください。生育期には土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにし、休眠期には乾燥気味に育てます。過湿になるとうどんこ病や灰色かび病が発生し、風通しが悪いとカイガラムシがつきやすくなります。
プラクテアータ(Kalanchoe)
スプーンのような丸みを帯びた幅広の葉をつけ、微毛が生えて白っぽくなることから「銀の匙」とも呼ばれています。エッジが縁取りのように茶色くなり、チャーミングです。
ヒルデブランティー(Kalanchoe hildebrandtii)
プラクテアータよりも葉が小さいことから「小匙」とも呼ばれています。葉が取れやすいので扱いは慎重に。
トメントーサ(Kalanchoe tomentosa)
ウサギの耳のような葉を上に向かって伸ばし、白色の微毛に覆われているので、「月兎耳」という園芸名があります。緑色で、葉の先端が赤茶色になる品種が一般的ですが、葉が黒っぽいものは「黒兎耳」、黄色いものは「黄金兎耳(ゴールデンラビット)」と呼ばれ、特に人気があります。
シルシフローラ(Kalanchoe thyrsiflora)
ハート型の幅広い葉を密に広げ、「唐印」という園芸名で人気があります。うっすらと白い粉をまとった葉は紅葉すると赤く、そうでない時期は白色でとても美しい品種です。
フミリス(Kalanchoe humilis)
薄く円形状の葉は薄い朱色。そこにゼブラのような濃い朱の斑が入るので、一見するとジャングルの食虫植物のようです。が、色あいはとても美しく、寄せ植えにすると映えます。