コチレドン(多肉図鑑)
コチレドン(Cotyledon)は南アフリカやアラビア半島原産の多肉植物で、肉厚のふっくらとした葉が特徴です。葉が産毛のような微毛に覆われ、先端に爪のような突起がついた「熊童子」、「猫の爪(子猫の爪とも)」といった人気種の他、葉のエッジに紅い筋の入る「オルビキュラータ」、「パピラリス」などがあります。2枚の葉を左右対称につけ、次の葉は90度回転して生えますので、上から見ると十文字に葉がつきます。成長すると花茎が伸び、ベル型の小さな花がつきます。
水はけの良い土を用いて育てます。生育期は春と秋で、乾燥に強い反面、高温多湿には弱いので、日当たりと風通しの良い場所に置きましょう。葉の表面に白い粉がついている品種は光を好みます。ただし、真夏は半日陰で育て、根腐れを起こしやすいので水やりは控えめにします。また、長雨に当たると下葉が落ちやすくなりますので、雨ざらしにしないよう注意します。害虫はつきにくいですが、高温多湿になるとさび病や軟腐病が発生しやすく、さび病が出たら消毒したはさみ等で切除し、軟腐病が出ないよう腐った下葉はこまめに取り除きます。成長するに従い下部が木化するので、小さく育てたい場合は挿し芽(茎)で増やします。
熊童子(Cotyledon tomentosa ssp.ladismithiensis)
コチレドンの代表的な品種。葉がぷっくりと丸みを帯びて微毛に覆われており、先端が爪のようにギザギザしていて熊の赤ちゃんの手のように見えます。紅葉時には爪の部分が紅く染まります。
猫の爪(子猫の爪)(Cotyledon ladismithiensis ‘KONEKONOTUME’)
熊童子に比べて葉が小ぶりで細長く、爪の数は熊童子が5つなのに対し、猫の爪は3つです。
オルビキュラータ(Cotyledon orbiculata)
ヘラのような平たい葉には薄く白い粉がついています。紅葉時には葉のエッジが紅く染まります。
福娘(Cotyledon orbiculata var. oophylla)
丸みを帯びた葉の表面に白い粉がついています。葉の先端やエッジが紅く染まると、お化粧をした福娘のようです。秋にしっかりと日を当てると葉の全体が紅く染まり美しいです。
銀波錦(Cotyledon undulata )
肉厚の葉は銀白で、葉の先端がフリルのようにカールします。分枝しやすく、また大きく成長します。