セデベリア(多肉図鑑)
セデベリア属(Sedeveria)。日本では「万年草(マンネングサ)」という名称で広く普及しているセダム属と、多肉植物のトップスター・エケベリア属を交配させた園芸種です。葉はセダム属の特徴を受け継ぎ、ふっくらとした厚みのある品種が多く、ロゼットはエケベリア属より立体的なシルエット(茎立ちするものもあります)。葉の先端がツンと尖った品種や、先端がほんのりと染まる品種が好まれ、その両方を兼ね備えた品種は「ツンデレ」と呼ばれて大人気です。
水はけの良い土を用いて育てます。生育期は春と秋で、それ以外の時期は休眠します。暑さにも寒さにも比較的強い品種で、一年中戸外で育てることも可能ですが、色合いが繊細なものや、微毛・斑入りの品種は夏場、直射日光が当たらないように育てます(ただし、日光が不足すると葉が肉厚になりません)。生育期には用土が乾いたらたっぷりと水を与えるようにし、休眠期には水やりを控えます。また、根腐れを起こしやすいので長雨には当てないようにしましょう。病害虫には比較的強い品種ですが、カイガラムシや根腐病に注意してください。
樹氷(Sedeveria Silver Frost)
ふっくらとした葉の先端はツンと尖り、品種によっては朱に染まります。色合いは薄い黄緑色をしていますが、秋には紅葉するものもあります。樹氷という名の通り寒さに強く、マイナス1~2℃の気温であれば霜に当たっても耐えることができます。ただし、気温がそれ以下になってしまったり、積雪があったりすると傷んでしまいますので油断は禁物です。
レティジア(Sedeveria letizia)
美しいロゼットを形成し、秋~冬にかけて厚い葉の半分が赤く艶やかに染まるのでとても人気があります。葉挿しで増やしやすいことも人気の秘訣です。
ファンファーレ(Sedeveria ‘Fanfare’)
淡いライム色をした流線形の葉が放射状に広がる品種です(ただし、元気がなくなると下に垂れます)。葉の先端がとがっており、シルエットも見事です。
スノージェイド(Sedum ‘Snow Jeid’)
樹氷に似て、ふっくらとした葉の先端は尖っていますが、樹氷よりもやや小太りで、キノコのようなかわいさがあります。初夏の葉はジェイド(翡翠)のような緑色をしていますが、秋から冬にかけてオレンジ色に染まります。